- 2020年10月22日
戦国時代版「ロミオとジュリエット」
シェイクスピアの初期代表作「ロミオとジュリエット」。 敵対する二つの家の令息・令嬢という関係であるロミオとジュリエットは恋に落ちるものの両家間の険悪な関係から引き離され、不幸なすれ違いもあって若い命を散らせてしまう悲劇です。 この現代においても親しまれているシェイクスピアの物語ですが、その物語にも負けない悲恋が戦国時代にも実際にありました。 それは歴史のうねりに翻弄されながらも互いの想いを貫いた若い二人の物語でした。 永禄12年12月、織田信長の長男信忠は11歳、武田信玄の六女松姫は7歳。両家の同盟のために二人はこの年齢で婚約させられます。 当時の織田家と武田家は一触即発でいつ戦になってもおかしくない状態でしたが、この二人の婚約はまだ弱小大名だった織田信長が武田との戦を避けるために仕組んだ政略結婚でした。 乱世の時代、婚約したものの二人は直接会うこともままならず、お互いに顔も知らぬまま。 いつしか二人は手紙のやり取りを始めます。 両家の関係から会うことの許されない二人でしたが手紙を通して少しづつ心を通わせていきます。 婚約から3年後の元亀3年、武