編集後記
「まっすぐな道でさみしい」
明治の詩人、種田山頭火の詩です。
山頭火は旅に生きた詩人でした。旅から旅へ托鉢をしながら、もらったお布施で酒を買い、飲んだくれながら詩を詠う。
山頭火の詩は自由律俳句といわれますが、その特徴は一切の約束事を排除して、自身の内なる心象を表現するところにあります。
五七五の形式にとらわれず自由自在に紡ぎ出されるその詩は、さながら山頭火の人生そのもののようです。
2016年の2月号から始まったen通信はここで一旦のお休みとなります。約4年半お付き合いいただいた皆様、援助してくださった皆様、誠にありがとうございました。
この4年半の道のりは決してまっすぐなものではなく、それはそれは曲がりくねっていた上に自分も伊東も気まぐれなもんだからしょっちゅう寄り道するし、よそ見したり、急に走り出したと思ったらぼんやりと景色を眺めていたり。山頭火に倣うなら「曲がりくねっててにぎやかでウケる」です。
en通信は終わりとなりますがenDesignがなくなるわけではありません。少し軌道を変えてではありますが活動は続きます。自由律俳句のように形式に囚われないenDesignはこれからも賑やかな道程を進むことでしょう。懲りずに応援していただけたら存外の喜びでございます。
進士 素丸